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棚田保全プロジェクト

棚田エコ学園について

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 2014年6月にから「棚田エコ学園」を開園しました。「棚田エコ学園」は、棚田(兵庫県神崎郡市川町等)とその周辺の農村・都市をフィールドに、人がつながり、夢を語り合う環境学習の実践・学びの場です。未来の子どもたちのことを想い、地域の資源を未来につなげることを目的に活動しています。

 この活動では、棚田LOVER’sの中に新しい仕組みを作ろうとしています。「生徒」「ボランティア」「参加者」「スタッフ」という4つの軸をスムーズに動かせるようなシステムをこの棚田エコ学園で構築しています。この事業の提案者は平櫛武さんです。

 平櫛さんはこの事業についてこのように語ってくださいました。
「棚田エコ学園が始まり2年目となりました。1年目の参加者は私の子どもとその友達だけだったのですが、現在では子どもだけでも約10~15名ほどが集まってくれるようになりました。今後もさらに参加者数の増加が期待できるので、あと1年ほどすればますます定着してくるのではないかと思います。また、スタッフも運営に慣れてきていますので、様々なノウハウもついてきて生徒や参加者の満足度も上がってくると思います。学園の環の広がりも実感しているのであともう少しで形になるのかなとい感じています。」

 棚田エコ学園には農コースと生き物コースがあり、1年を通してそれぞれの知識を深めるカリキュラムが組まれています。棚田エコ学園を卒業すると、棚田LOVER’sのアドバイザーとして登録され、兵庫県内外にて様々なイベントで講師として活躍できるシステムを創設しました。現在(2015年)の生徒は11名で、農コースでは去年1年間で6名の生徒が卒業しました。


棚田エコ学園開園への想い

 棚田エコ学園の生き物コースでは、定期的に「生き物観察会」を行っています。子どもたちに生き物を観察する場所を提供し、講師の先生が様々なことを教えます。

 事業提案者である平櫛さんはこんな想いから始まったと語ります。
「生き物観察会をやろうと思ったきっかけは、私自身、都会の人が生き物の事を知らずに子どもを育てるというのに違和感を感じていました。例えば、自然って何って聞かれたら「芝生広場」とか「家の裏にタンポポが生えてる」とかそういうのが自然だという風に思いながら子どもを育てるのはおかしいような気がしていました。蚊が1匹部屋に入ってきただけで大騒ぎになったりする、そんな状況にすごく疑問を感じていて、本当の自然の中で子どもを育てたいなと思っていました。」

 そんな思いがある中、平櫛さんは専門家の先生や兵庫県の職員の環境課に提案できるシンポジウムを開くことができました。専門家の先生から「一般の人は生き物なんかに関心なんかないよ」と言われ、平櫛さんはその一言で「生き物」だけでは人は集まらないと気づかされました。そこで、「食」というキーワードにたどり着いたと言います。人は普段からごはんや野菜を食べて、そういうものの元になっているものが生き物なので、食べ物を絡ませないといけないと感じました。

 平櫛さんが今までのイベントの中で一番印象に残っているのは、夏に川で魚を捕まえ、その場でから揚げにして食べるイベントをしたときのことです。
「この時の子どもたちの反応がすごく良かったんです。今まで魚が苦手だった子が食べられるようになったと、ご両親がとても喜んでくださって、子どもが学校でその出来事について発表したところ、学校集会で発表することになり、新聞社で表彰されました。子どもは来年も絶対参加すると言ってくれ、私としてはすごく手ごたえがあったので、改めて自分の信念は間違っていなかったと感じました。」と平櫛さんは語ります。


様々な工夫を取り入れています
缶バッジプレゼント
 体験参加者の子どもたちが捕まえた生き物と一緒に記念撮影をし、それを缶バッジにして次回参加時にプレゼントをするサービスを開始しました。子どもたちは缶バッジをとても楽しみにしています。体験の記憶をモノとして残すことができ、また次回参加へのきっかけとなるサービスであるといえます。

生き物と一緒に記念撮影

カエルゼリーの開発
 棚田エコ学園の生徒の一人である鈴木幸子さんは、一般の方により生き物に興味を持ってもらえるようにと「カエルゼリー」の開発に乗り出しました。
きっかけは、バジルシードを初めて見た時、カエルの卵に良く似ていてこれを使って何かできないかと思いついたことです。リアルな世界観を表現するためカエルを型から作ったり、色の表現をどのように出すか試行錯誤を繰り返しました。
 棚田LOVER’sは現在このカエルゼリーの販売に動き出しています。「棚田にはこんなカエルの世界があるということを知ってもらい、田んぼに行くきっかけを作ってもらいたい」と、鈴木さんは語りました。

鈴木さん手作りカエルゼリー

シリコンで作ったお手製カエル型

イベント参加者の感想
イベント講師の谷口正治さん

 元中学校教師の谷口さんは棚田LOVER’sだけでなく多くのイベントで講師をしています。
谷口さんにイベントを通して、子どもたちに伝えたいことを伺いました。
「命のつながりを伝えたいです。カエルはカエルだけで生きているのではなく、カエルは他の虫を食べている。その虫はより小さな微生物を食べて、逆にカエルは蛇などに食べられたりする。蛇はトンビなどの大型の鳥に食べられる。そういう命のつながりを子どもたちに意識してもらいたいと思っています。それを意識することで、生き物の命の大切さ、地球環境の大切さが理解できるのではないでしょうか。」


イベントに参加した子どもの保護者の方

 5歳と4歳の2人のお子様と一緒にイベントに参加したお父さんにお話を伺いました。
「去年も同じ『カエルの卵観察会』に参加しました。今年は子どもが「おもしろかったのでもう一回やりたい」と言うので参加しました。初めのきっかけは妻があるカフェに置いてあったパンフレットを持って帰ってきて、それを見て家族で参加を決めました。街に住んでいると、子どもたちはあまりこういった田んぼで遊んだりという機会はないから、どんどん積極的にやってもらってドロドロになって遊びまくってもらったらいいなと思います。」


神戸動植物専門学校の学生もボランティアで参加

 ボランティア参加者 神戸動植物専門学校2年 松永鮎実さんはこのように語ってくださいました。
 「ボランティアに参加しなければわからなかったことがたくさんありました。団体の人たちと関わることによって内部の主題や問題点が参加することによって知ることができます。中にはいって活動をすることで、今までのイメージが変わりました。通常は自分が栽培して農協に売るという単純な流れですが、こういったイベントを通して一般の参加者とともに作業をすることによって農業の大切さを知って頂けると思います。また、環境系の学校にいると、こういった活動の情報はたくさん入ってくるのですが、広報的な部分において、身近に情報がないので、一般の方々が普通に過ごしているとあまり知って頂けないのではないかと思います。良い活動がたくさんあることを広めて、多くの方に参加していただければなと思います。」