ピックアップソーシャルプロジェクト

一般社団法人のあっく自然学校

のあっく自然学校のはじまり
自然学校の役目

 兵庫県の公立小学校では、5年生を対象に4泊5日以上の自然学校を行っています。学習の場を教室から豊かな自然の中に移し、自分で考え行動し、問題を解決する術を仲間たちと学びながら「生きる力」を育成しようとするものです。仲間との連帯感を高め社会性や自立性を育もうという自然学校の取り組みは子どもの成長過程において貴重な時間に違いありません。
 兵庫県で自然学校の取り組みが実験的に始まったのが27年前の1988年です。1991日なって効率の全小学校を対象に実施されるようになります。それ以前は春から秋にかけての林間学校、夏の臨海学校という名称の郊外学習でした。30代以前の方々にはこちらの呼び名を聞いた方がわかりやすいかもしれません。
 生活の都市化、IT化によって便利になればなるほど、子どもたちの体力は低下し、思考も仮想的になるのではと心配されています。地域の絆が希薄になった昨今では、外遊びにも心配が増えました。子どもたちは、習い事や塾などの時間が増えて友達と過ごせない分を、スマートフォンを利用して関係を保とうと、その依存性を高めています。そこには、社会のルールを知らず、生命に対する畏敬の念を感じたことのない子どもたちにとって、悪影響を及ぼすことも沢山あります。
 「悪影響がある」といくら言われても、実際に認知して行動できるかといわれれば難しいものです。自然学校は、「自分で痛い目に合えばわかること」を学べるところなのかもしれません。できればそうした体験は1度だけでなく、小学5年を待たずに行っておきたいものです。
 今回ご紹介する一般社団法人のあっく自然学校は、関西を中心に子どもたちに自然体験活動の機会を提供しています。現在、大阪校、兵庫校、岡山校、自然体験活動施設おおすぎの3角事業所と宿泊施設を運営し、その会員数は2,500名になりました。キャンプイベントを行う団体としては日本でも指折りの人気を博します。理事長を務める高井啓大郎さんはキャンプ歴20年以上というベテランで、キャンプの魅力を子どもたちに伝えようと長きにわたって活動してきました。

キャンプの魅力にとりつかれ
『ほんまもん体験』ができる自然学校を作りたい

理事長 高井啓大郎さん

 理事長の高井啓大郎さんは5歳のころからキャンプ活動をしていました。通っていたスイミングスクールが主催するキャンプに参加するうちに、その魅力に取りつかれていったといいます。大学生になると、大阪府の野外活動センターで働きます。キャンプを通して子どもたちの成長を感じられたことで、学校以外での教育のあり方を考えるようになりました。
 就職を経た後も、野外活動センターでの活動を続けていたそうです。そこへ「市の職員として運営しないか」という誘いを受けて、センター長を引き受けます。しかし、公共施設という性質上さまざまな制約があったため本当の自然体験を子供たちに与えられていないという葛藤があったといいます。
 『ほんまもん体験』を与えられる環境をつくろうと、高井さんは市役所を辞め、のあっく自然学校を立ち上げました。

活動の目的
知力と体力ど根性。

 自分自身が子どものころからキャンプに参加してきて「何度も成長を感じた」という、その確かな実感を今の子どもたちにも感じてほしいと高井さんは話します。
 子どもたちと接する中で「体力がない」「考える力がない」という能力を高めるために、自然学校という非日常体験は重要な役目を担っています。自然の中で子どもたちに色々な選択肢を与え、自ら考えたり、友達と話し合ったりしながら過ごすことで子どもたちの成長をサポートするのが、のあっく自然学校の活動目的です。