ピックアップソーシャルプロジェクト

ファームアンドカンパニー株式会社

ファームアンドカンパニー設立の経緯
野菜は食品であって、消費材でない。

 農というのは、命を支えるというとても大切な役目があります。しかし流通を重視するあまり、価格や見た目に左右されたり、味や栄養などの機能面の優劣を争ったり、買いやすさや品揃えなどの利便性だけを追い求めてしまうことがあります。そうしたことで、農地は疲弊し、農家は高度にシステム化されたところだけが勝ち残り、取り残された農家は家業が継げず高齢化し、やがて成り経たなくなります。

 また、その一方の消費者は農の現場を知ることなく、気軽にスーパーや直売所やインターネットで野菜を購入できるため、畑や大地に宿るエネルギーも、農家の思いや苦労や喜びも知ることがありません。私たちが自然を感じることができる一番身近な存在である「野菜」は、やがて単なる食欲を満たすモノとなり、人と自然のつながりはいたって希薄な関係になってしまうのではないでしょうか。

 ファームアンドカンパニー株式会社は、有機農業を応援する個人や法人約60人が出資して2011年に設立され、兵庫県を中心に地域の有機農家と連携して飲食、小売、商品企画販売、体験イベントなどの事業を行っています。産地と消費地が近い兵庫県の立地を生かし、畑とテーブルをつなげる事業を発展させていきたいと代表の光岡大介さんは語ってくれました。

活動のはじまり
有機農業への興味

代表 光岡大介さん
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 光岡大介さんが有機農業に関心をもつようになったのは大学時代のことです。それまで農業と何の関わりもなかった光岡さんが、「有機農業の魅力を広げる事業をやりたい」と思ったのには理由がなく、衝動的にひらめいたといいます。

 また一方でグローバルに活躍できる仕事がしたかった光岡さんは、大学卒業後経営コンサルタントとして働き始めました。しかし、大学時代に考えていた事業をやってみたいという考えが離れなくなり、約1年で退社しました。

 退社後、有機野菜を販売する八百屋をたちあげました。これが有機野菜と関わる事業の第一歩となりました。

有機農家を広げる
努力しているものが報われる仕組み

 平成25年8月農林水産省の発表によると全国の有機農家数は1万2千戸であり、全農家数の0.5%を占めていると推計されています。有機農業者の平均年齢は59歳程度であると見込まれ、農業全体の平均年齢(66.1歳:基幹的農業従事者)よりも若いそうです。

(※「企画部会 第1回 有機農業の推進に関する小委員会配布資料一覧」『農林水産省』,
http://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/kikaku/organic/01/index.html [2015年9月7日閲覧])

 

 有機農業における課題として、生産技術の習得や販路の開拓が困難であることがあげられます。有機農家を始めたひとが、途中で挫折することも少なくありません。栽培技術だけでなく、人脈づくりや営業活動を含めた農業経営ができる人でなければ、存続が難しい状況にあります。「 良いものを作る努力をしている生産者が、報われるような仕組みをつくりたい。」という思いが光岡さんの活動の起点です。