ピックアップソーシャルプロジェクト

エクスクラメーション・スタイル

デザイン性の高いものづくり
エクスクラメーション・ファクトリー(就労支援事業)
「ものづくり」の中に福祉の視点を取り入れる。

手作りの看板

 事業所設立の1年目は陶器製品の制作を行うPRODUCT teamを、食品加工を行うKITCHEN teamを立ち上げました。障がいのある人が仕事を身近に感じられ、成果の分かりやすいものを。また、作業を細かく分けやすく、その人にあった仕事を生み出すことができるのではと二つの仕事を行っています。『ものづくりの専門性、障害福祉の専門性、どちらも必要なものです。互いの専門性や強みを生かして、より良い支援と市場に求められるものづくりを目指すことはこの施設で大切なことです。』と秋保さんは言います。

 !-factoryでの作業は月曜日から金曜日の9時から16時半まで。事業所の登録数は現在24名ですが、毎日通所する利用者は約20名ほどです。高等部卒業後18歳から~40歳くらいまでの方が通っており、ほとんどがこの八幡地域の方です。知的障がいの方が全体の約8割を占め、精神障がいの方も通っています。
 厚生労働省の発表によると平成25年度の就労継続支援B型事業所の平均工賃は月額14,437円、時給178円(※注1)です。福祉施設で作られた商品の生産数、販売数を伸ばし、クルーの工賃を高くしていくかが課題です。

※注1「厚生労働省 平成25年度平均工賃(賃金)月額の実績について」『厚生労働省ホームページ』,http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa13/index.html
プロダクトチーム
「支援のため」ではなく、「商品が良い」から買ってもらう。

 一般的な流通で商品を販売するということを目標に陶器事業をスタートしたが、企業支援も視野に入れて営業活動を行っていたそうです。製品を作る前段階から、販路を「株式会社フェリシモ」兵庫県神戸市の大手通販会社に相談していました。家の形をした陶器オブジェを提案したところ、「これをスタンプにしてみては?」と逆提案されて生まれたのが「おうちスタンプ」です。このスタンプはフェリシモで大変人気の商品となりました。
 いいスタートを切った!-factoryのプロダクトチームはつぎつぎと商品を生み出します。
花器や生活雑貨、食器、アクセサリー、タイルなどさまざまなジャンルに渡ったものづくりに取り組んでいます。!-styleオリジナル陶器ブランド”!-style products”をはじめ、企業や行政からの依頼を受け、デザインから制作までを引き受けるなど、広い範囲で活動をしています。

カップ&ソーサー

目を惹きつけるかわいいデザイン

 

キッチンチーム
京都の飲食店のセントラルキッチンとしての役割に

厨房の様子

 2年目からスタートした食品加工事業は、地域の飲食店からの依頼に応じた下調理作業を請け負うセントラルキッチンのような役割として機能しています。お店からの要望のあった味付けや調理法で、完成一歩手前の段階までを!-factoryのキッチンで調理します。スチーム調理や急速冷凍、製麺など作業の種類は多いですが、これも作業を細分化しクルーにあった工程を作りこむことで、どんな飲食店からの要望にも応えられるようになっています。現在では、飲食店同士の口コミなどから依頼が来ることも増えてきました。

ものづくりの可能性を広げる
複雑な作業を細分化して単純な作業にする

制作の様子

陶芸制作用プレート

 ひとりひとりの能力を見極め、それに合わせた作業工程をつくることが!-factoryの強みの一つと言えます。仕事をできるだけ簡単な作業に細かく分業すれば、それぞれのクルーの障がいの程度に関わらず、質の高い商品が生まれます。例えば、土を板に伸ばす工程ではローラーに挟む段ボールの枚数で厚さを調整したり、穴が開いたプレートを用いて、同じ場所にハンコを押したりと製作工程を工夫しています。また、クルーにも使いやすい道具を選ぶことも重要です。

 作業効率を重視しすぎて、商品の質が落ちてしまうことは絶対に避けたいと考えています。「障がいのある人が作ったからこんなものか」と思われないようにシビアな視点でものづくりをしていくことが信頼を得るためのポイントです。2~3年ごとにデザインのモデルチェンジを繰り返しているのも、クルーたちの「仕事力」を最大に引き出すことに役立ちます。

 スタッフは、クルーたちの小さな変化を見逃さないように心掛けながら、支援をしています。「製品は、面白さや意外性を求めますが、福祉の現場職員の仕事は、基本的なことを忘れず“当たり前に”積み重ねていくこともとても大切です」と秋保さんはいいます。

企業と連携したものづくり
デザインから製造までを請け負う「強み」を生かした商品づくり

プロダクトチーム

 フェリシモ株式会社をはじめ、!-styleは多くの企業と連携しています。石鹸やボディクリームなどで知られる『LUSH』の商品の製造も手掛けています。
 株式会社ラッシュジャパンの取り組みの中に「チャリティポット」という、様々な社会課題に対して活動している草の根団体を支援する活動があります。この助成金に!-style採用されたことがきっかけで、ラッシュジャパン10周年のノベルティ商品を手掛けることになりました。このときはLUSH の石鹸が3つも置ける、『3連ソープデッシュ』を制作したそうです。

 !-styleでは企画・デザインから製造までを一手に引き受けています。これまでの福祉施設では大量に生産することが難しく、企業からの大型受注を引き受けることができませんでした。!-styleでは作業の効率化と、他施設との連携により時には1000単位のご注文を受けることもあります。手作りの商品を大きなロットで納品できるということが強みとなり、また、企業の社会貢献性(CSR)にも一役買うことができる!-styleの商品は多くの企業から求められるようになりました。最近では企業のノベルティの制作や、行政からの発注なども増えています。